MT4でのヒストリカルデータ取得とバックテストの方法|信頼性と精度向上のポイントを徹底解説

MT4

1. ヒストリカルデータとは

ヒストリカルデータとは、過去の金融市場における価格変動を記録したデータです。FX取引においては、通貨ペアの価格が時間ごとにどのように推移したかが詳細に記録されています。ヒストリカルデータを利用することで、トレーダーは過去の相場を分析し、取引戦略の効果を確認するために「バックテスト」を行います。バックテストとは、過去の価格データに基づいて特定の取引戦略がどれだけ有効であったかを検証する手法で、特にMT4(MetaTrader 4)ユーザーにとって重要です。

ヒストリカルデータの品質が高ければ高いほど、バックテストの結果は現実の取引状況に近いものとなり、戦略の有効性を正確に評価できます。しかし、データの欠落や異常値が含まれる場合、テスト結果に歪みが生じ、戦略のパフォーマンスが正確に反映されないリスクもあるため、信頼性のあるデータの利用が求められます。

ヒストリカルデータの種類

FXで利用されるヒストリカルデータには、主に以下の2種類があります。

  • ティックデータ:市場の価格が変動するたびに記録されるデータで、最も精度が高いとされています。ティックデータを使用することで、価格変動の詳細な動きが再現されるため、高精度なバックテストが可能です。
  • 時間足データ(分足、時間足など):1分足、5分足、1時間足、日足など、一定の時間ごとの価格を記録したデータです。ティックデータほど細かくはありませんが、一般的な分析やバックテストには十分な情報量を持ちます。

2. MT4でのヒストリカルデータの取得方法

MT4には、標準機能として「ヒストリーセンター」が用意されており、通貨ペアごとに基本的なヒストリカルデータをダウンロードすることが可能です。以下では、MT4内蔵のヒストリーセンターからデータをダウンロードする手順と、利用時の注意点について解説します。

MT4ヒストリーセンターからデータを取得する手順

  1. MT4を起動し、メニューから「ツール」 > 「ヒストリーセンター」を選択
    ヒストリーセンターでは、通貨ペアや時間足(分足、1時間足など)ごとに過去データを閲覧、ダウンロードできます。
  2. 通貨ペアと時間足を選択
    例として、USD/JPYの1分足や1時間足など、バックテストに使用したい通貨ペアと時間足を選びます。
  3. ダウンロードボタンをクリック
    選択した通貨ペアと時間足のデータがMT4にインポートされます。データはローカルに保存され、以降のバックテストに使用可能です。

MT4内蔵データの欠点

MT4のヒストリーセンターで取得できるデータには、取引が少ない時間帯や週末の影響で一部のデータが欠落していることがあり、データの正確性に欠ける場合があります。また、特定の時間帯の価格変動が正確に反映されないケースもあるため、特に精密なバックテストを行いたい場合には、別の方法で信頼性の高いデータを取得することが推奨されます。

3. 外部ソースからのデータ取得

精度の高いバックテストを行うためには、MT4内蔵のヒストリカルデータに加え、外部ソースからのデータ取得も検討すると良いでしょう。以下に、一般的な外部データソースと、その利用方法について詳しく解説します。

OANDA Japanのヒストリカルデータ

OANDA Japanは、MT5ユーザー向けに高精度なティックデータのダウンロードサービスを提供しています。このサービスは、前月の取引量が500万ドルを超えた顧客を対象としており、USD/JPY、EUR/JPY、EUR/USD、GBP/JPY、JP225、US30、US100、US500、XAU/USDといった銘柄のティックデータを取得可能です。ダウンロードしたデータは、MT5にインポートして過去のティックチャートの表示や、エキスパートアドバイザー(EA)やインディケーターのバックテストに利用できます。ただし、MT4用のヒストリカルデータは提供されていないため、MT4ユーザーは他のデータソースを検討する必要があります。

OANDA FX/CFD Lab-education(オアンダ ラボ)

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MT5の利用とメリット

国内ではMT4が主流であり、MT5の利用が限定的ではあるものの、MT5ではティックデータをより簡単に取得できる点が大きなメリットです。特に、ティックデータを活用した精度の高いバックテストが可能な点が、MT5を選択する理由として挙げられます。

Dukascopyのヒストリカルデータ

Dukascopyは、スイスのオンラインバンクが提供する高精度なヒストリカルデータの提供元です。現在、DukascopyのデータはMT4に直接インポートできるため、以前と比べてデータの利用が格段に簡単になりました。MT4のヒストリーセンターやTick Data Suiteと連携することで、ティックデータや分足データを直接取り込み、詳細なバックテストに活用できます。

  1. Dukascopyのサイトでヒストリカルデータをダウンロード
    利用したい通貨ペアや時間足を選択し、指定の期間のデータを取得します。
  2. MT4に直接インポート
    取得したデータは、MT4に直接インポート可能で、簡単にバックテストに使用できます。データ変換の手間がなく、Dukascopyの高精度データを活用できるため、効率的なバックテストが可能です。

Dukascopyヒストリカルデータ取得はこちら

FXDDのヒストリカルデータ

FXDDもヒストリカルデータを提供する代表的な海外FX業者の一つです。このデータは、MT4でのバックテストに利用できるものの、日本国内での海外FX業者利用には注意が必要です。個人が自己責任で利用することに関しては特に問題ありませんが、ピップスバック、いわゆるIB(イントロデューシングブローカー)を通じた国内での誘導活動は違法とされています。そのため、FXDDのヒストリカルデータも参考程度に留め、初心者には必ずしも海外FXの利用を勧められるものではありません。

また、データに関しても精度にばらつきがあり、価格の歪みや欠落が含まれる可能性があるため、データの信頼性を確認し、必要に応じて異常値の調整を行うことが推奨されます。

4. データの信頼性と注意点

外部ソースからヒストリカルデータを取得した場合でも、バックテストの前にデータの信頼性を確認することが重要です。以下のポイントに注意し、適切にデータのチェックを行いましょう。

データの欠落や異常値

ヒストリカルデータには、特定の取引時間外や流動性が低い時間帯に価格が記録されていない「欠落」が生じていることがあります。このようなデータの歪みや欠落は、テスト結果に悪影響を与える可能性があります。必要に応じてデータを補完したり、異常値を除去する方法を検討しましょう。異常値が確認された場合は、手動での補正やデータ補完ツールの活用が効果的です。

データの精度の確認方法

データの信頼性を確認するためには、インポートしたデータを視覚的にチェックする方法が効果的です。例えば、MT4でチャートを表示し、特定の期間で価格が急激に変動していないかを確認します。また、移動平均線やボリンジャーバンドといったインジケーターを使用することで、価格変動のパターンをより確認しやすくなり、異常値や欠落が発見しやすくなります。

5. 高精度なバックテストのためのツール

ヒストリカルデータを取得したら、高精度なバックテストを行うために「Tick Data Suite」の活用が効果的です。

Tick Data Suiteの活用

Tick Data Suiteは、Dukascopyを含む複数のソースから取得したティックデータをMT4にインポートし、精度の高いバックテストを可能にするツールです。Tick Data Suiteを利用することで、ティックデータを基にした正確なテストが可能になり、戦略の評価精度が大幅に向上します。

  1. Tick Data Suiteのインストール
    Tick Data Suiteは、MT4にアドオンとしてインストールできるツールで、簡単にティックデータを取り込むことが可能です。
  2. Dukascopyやその他のデータをインポート
    Tick Data Suiteのインターフェースを利用して、Dukascopyなどからダウンロードしたデータをインポートし、詳細なバックテストを実施できます。
  3. バックテストの実施
    MT4でより正確なバックテストが可能になり、取引戦略の有効性を評価しやすくなります。
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6. まとめ

MT4でのヒストリカルデータの活用は、取引戦略の評価に欠かせない重要な要素です。しかし、内蔵のヒストリーセンターや外部から取得したデータには、欠落や異常値が含まれる場合があるため、データの精度確認や信頼性の高いツールの活用が推奨されます。特にTick Data Suiteを利用すれば、複数のソースから取得した信頼性の高いデータを基にした精密なバックテストが可能です。

初心者には、まず国内FX業者が提供するデータやMT4の内蔵データからスタートし、基本的なデータの取り扱い方法やバックテストの手順を学ぶことが推奨されます。例えば、OANDA Japanなどの国内FX業者のデータであれば信頼性が高く、スムーズにバックテストを始められるでしょう。

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