MetaTrader4とMetaTrader5の違いについて – どちらを選ぶべきか?

はじめに

 MetaTrader4(以下、MT4)とMetaTrader5(以下、MT5)は、ともに外国為替証拠金取引(FX取引)において広く使用されているトレーディングプラットフォームです。どちらも高機能であるため、初めての方や上級者まで、多くの投資家に愛用されています。

 しかし、MT4とMT5にはそれぞれ特徴があり、どちらを選ぶべきかは悩ましいところです。本記事では、MT4とMT5の違いについて解説し、それぞれの特徴や使い方を比較検討し、どちらを選ぶべきかを考えていきます。

 まずは、MT4とMT5の概要について簡単にご紹介します。

MT4とMT5の違いについて

 MetaTrader4(MT4)とMetaTrader5(MT5)は、共に外国為替証拠金取引(FX)のプラットフォームとして広く使われていますが、それぞれに違いがあります。ここでは、MT4とMT5の主な違いについて解説します。

プログラム言語の違い

 MT4はMQL4という独自のプログラミング言語を採用していますが、MT5はMQL5を採用しています。MQL5はMQL4よりも高度なプログラミングが可能で、また、C++言語に近い構文を持っています。

時間枠の違い

 MT4では、1分、5分、15分、30分、1時間、4時間、日足、週足、月足のチャートを表示できますが、MT5では、2分、3分、6分、10分、12分、20分、30分のチャートも表示できます。また、MT5では、時間枠が100種類以上も用意されており、より詳細な分析が可能です。

取り扱い可能な商品の違い

 MT4では、外国為替証拠金取引(FX)やCFD(差金決済)が可能ですが、MT5では、さらに株式や先物、オプションなど、より多様な商品を取り扱うことができます。

テクニカル指標の違い

 MT5では、より多様なテクニカル指標が用意されています。例えば、MT4には存在しない「Three Line Break」などが利用できます。

プラットフォームの改良

 MT5は、MT4の機能を引き継ぎつつ、より高度な機能が追加されています。例えば、MT5では、レポートや取引履歴、通知、チャット機能などが改良されており、取引の効率化に役立ちます。

 以上が、MT4とMT5の主な違いです。どちらを選ぶべきかは、個人のニーズによって異なりますが、MT4はシンプルな操作性が魅力で、MT5はより高度な取引をしたい方に向いています。次の章では、MT4とMT5それぞれの利点について詳しく解説します。

MT4とMT5の比較

 MT4とMT5は両方ともMetaQuotes Softwareが開発したトレーディングプラットフォームであり、多くのトレーダーにとって重要なツールとなっています。しかし、MT4とMT5には多くの違いがあります。以下では、MT4とMT5の主な比較点を紹介します。

プログラム言語の違い

 MT4はMQL4プログラミング言語を使用していますが、MT5はMQL5プログラミング言語を使用しています。MQL5は、MQL4よりも多くのオブジェクト指向機能を備えているため、より高度なトレードアルゴリズムの開発に適しています。

取引時間枠の違い

 MT4は4つの時間枠(1分、5分、15分、1時間)をサポートしていますが、MT5はそれに加えて2つの時間枠(2分、3分)を追加しています。これにより、トレーダーはより短い時間枠での取引を行うことができます。

取引注文の種類の違い

 MT5はMT4よりも多くの取引注文の種類をサポートしています。MT4は、市場注文、逆指値注文、利益確定注文、損失制限注文、注文キャンセルの5種類の注文しかサポートしていませんが、MT5は追加でストップリミット注文、ストップマーケット注文、トレイリングストップ注文をサポートしています。

テクニカル分析の違い

 MT5はより高度なテクニカル分析ツールを備えています。MT5には、MT4にはないフィボナッチレトレースメント、フィボナッチタイムゾーン、フィボナッチアーク、価格水準などの追加のテクニカル分析ツールがあります。

タイムフレームの違い

 MT5は、より多くのタイムフレームを備えています。MT4では、時間枠の範囲が限られており、1分、5分、15分、1時間の4つしかありませんが、MT5ではこれに加えて、2分、3分、4時間、8時間、12時間、1日、1週間、1か月の時間枠をサポートしています。

注文の種類についての違い

 MT4では、4つの注文タイプ(成行注文、指値注文、逆指値注文、IOC注文)と、2つの実行モード(即時実行、指値実行)があります。一方、MT5では6つの注文タイプ(成行注文、指値注文、逆指値注文、市場注文、挿入注文、OCO注文)と、4つの実行モード(即時実行、指値実行、市場実行、交差点実行)があります。

 市場注文は、現在の市場価格で注文を執行する注文タイプであり、注文が瞬時に執行されるというメリットがあります。一方、挿入注文は、指定した価格での執行を保証する注文タイプであり、価格が指定された水準に達した場合にのみ、注文が執行されます。

 MT5には、MT4にはないOCO(One Cancels the Other)注文があります。OCO注文は、2つの注文を同時に行い、どちらかが執行された場合にもう一方が自動的にキャンセルされる注文タイプです。この注文タイプは、リスクマネジメントの観点から有用であり、MT5を使う際には是非使ってみることをおすすめします。

 以上が、MT4とMT5の注文の違いについての比較です。次は、インジケーターとスクリプトの違いについて見ていきましょう。

どちらを選ぶべきか?

 はじめに述べたように、MetaTrader4とMetaTrader5はそれぞれに長所と短所があります。MT4は豊富なEAとインジケーターがあり、使い慣れたトレーダーにとっては使いやすいというメリットがあります。一方、MT5はより高度なチャートや分析機能を備えており、将来的にはMT4を置き換える可能性があります。

 どちらを選ぶべきかは、個人的な好みやトレードスタイル、目的によって異なるでしょう。短期トレーダーは、MT4で十分なEAやインジケーターを使用することで、より多くの取引を行うことができます。一方、長期投資家は、MT5の高度な分析機能やチャート機能を活用することで、より正確な分析を行うことができます。

 また、MetaTrader4は現在でも広く使用されており、多くのブローカーが提供しています。

MT5はまだ普及していないため、ブローカーが提供していない場合もあります。そのため、MT5を使用する場合は、ブローカーがMT5を提供しているかどうかを確認する必要があります。

 MT4とMT5の違いをよく理解し、自分の目的やトレードスタイルに合ったプラットフォームを選ぶことが重要です。トレードには個人差があるため、自分に合ったプラットフォームを選ぶことで、より効果的なトレードを行うことができます。

最後に

 本記事では、MetaTrader4(以下、MT4)とMetaTrader5(以下、MT5)の違いについて解説してきました。それぞれの特徴やメリット、デメリットを比較し、どちらを選ぶべきかについて検討していきます。

 まず、MT4のメリットとしては、利用者が多く、EAやインジケーターの開発が盛んに行われていることが挙げられます。また、シンプルで使いやすく、チャート分析に特化していることも特徴です。一方で、MT4は年数が経っており、テクノロジーの進歩に取り残される可能性があります。

 一方、MT5は最新のテクノロジーが採用され、さまざまな市場に対応していることが特徴です。また、MT4に比べ高機能で、EAやインジケーターの開発も容易に行えることが魅力です。しかし、MT5はまだまだ利用者が少なく、開発が盛んではありません。

 ここで、どちらを選ぶべきかについて再度まとめます。

 MT4は利用者が多く、EAやインジケーターの開発も盛んに行われているため、初心者にはおすすめです。一方、MT5は最新のテクノロジーを採用しており、高機能であるため、プロのトレーダーやエンジニアに向いています。また、将来的にはMT5の方が優位性が高まる可能性があります。

 最終的に、どちらを選ぶかは、利用者の目的やニーズによって異なります。自分にとって必要な機能や利便性を比較し、慎重に判断することが重要です。