エキスパートアドバイザー(EA)

エキスパートアドバイザー(EA)は、MQL4プログラミングで最も重要な要素の一つであり、取引戦略を自動化するためのパワフルなツールです。EAは特定の市場条件に基づいて取引を開始、管理、閉じることができます。

EAは特に、頻繁な取引を必要とする高周波取引戦略や、厳格なルールに基づいて取引を行うシステマティックな取引戦略で役立ちます。また、EAは24時間自動で取引を行うことができるため、異なる時間帯での取引の機会を逃さず、また人間の感情が取引に影響を与えることを防ぐことができます。

エキスパートアドバイザーは、以下の主要な関数を持つMQL4のプログラムとして実装されます:

  • OnInit:EAが初めてロードされるとき、またはチャートにドロップされるときに呼び出されます。
  • OnDeinit:EAがチャートから削除されるとき、またはMetaTraderが閉じられるときに呼び出されます。
  • OnTick:新しい市場クォート(ティック)が発生するたびに呼び出されます。取引のロジックは主にこの関数内で実装されます。

以下は、特定の条件下で取引を開始するシンプルなエキスパートアドバイザーの例です。

※あくまで一例であり、実用に耐えられないコードのため使用により生じた損害は一切責任を持ちません。

void OnTick() {
    // Check if there are any open orders
    if(OrdersTotal() == 0) {
        // Get the current market price
        double Ask = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_ASK);
        double Bid = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_BID);
    
        // Check if the market price is lower than a certain level
        if (Ask < SomeLevel) {
            // Open a new buy order
            OrderSend(_Symbol, OP_BUY, 1.0, Ask, 3, 0, 0);
        } else if (Bid > SomeLevel) {
            // Open a new sell order
            OrderSend(_Symbol, OP_SELL, 1.0, Bid, 3, 0, 0);
        }
    }
}

このエキスパートアドバイザーは非常に基本的なものであり、実際の取引ではより高度な戦略を使用することが一般的です。しかし、この例はEAがどのように動作するかを理解するための良い出発点となります。

エキスパートアドバイザーを作成する能力は、MQL4プログラミングの非常に強力な側面であり、効率的でシステマティックな取引戦略を実装するための鍵となります。